ゴミ問題と微生物:ゴミ分解の仕組みと最新技術を紹介!

科学の知見
キャサリン
キャサリン

毎日ごみをごみ集積所までもっていくのってかなりだるいよね。

寝坊したら終わりだよね笑

Yum@
Yum@

実は、ごみ捨てをしなくてもいい生活が実現するかもしれないんだ!!

じゃあ、今回は「微生物ごみ処理技術」について掘り下げていくよ!!

こんにちは、Yum@です!

皆さん日々のゴミ捨てお疲れ様です。

ゴミって生活するだけで出てくる厄介なものですよね。

特に、ゴミを出す曜日が決まっていて、生ゴミを捨て忘れたときは絶望です笑

このゴミ捨ての問題はなんとかならないのでしょうか?

今回はそんなゴミ捨ての問題について、生ゴミ分解のメカニズムと微生物を使ったゴミ処理の最新技術を掘り下げました!

-この記事の内容-
・生ゴミ分解の方法とメカニズム
・プラスチックゴミを分解する微生物
・画期的な家庭で使える最新技術

-先にネタバレ-
・今では、家庭で1㎏の生ごみが1日で分解できる装置が販売されている
・プラスチックを分解する酵素を持つ微生物が発見されている

生ごみ処理の3つの方法

ここでは生ゴミ分解の基礎的な方法3つを紹介します。

その前に下の用語を確認しておいてください!

有機物…分子中に炭素を含むもの(一部例外あり)
生き物を構成する物質はこれに該当する

可燃分とは…燃えてなくなる成分(etc: 炭素、窒素など)

灰分(かいぶん)…燃えてもなくならずに灰になる成分(etc: 各種金属、ケイ素(ガラスに使われる)など)

1つ目:焼却方式

生ごみを分解する方法の一つ目は、燃やして灰にして容積を小さくする「焼却方式」です。

この方法をやると、水分と可燃分がなくなるので体積がかなり減ります。

※なぜ物質は燃えるのかは過去に書いた東工大生が解説:勉強しなきゃいけない理由の記事で解説しています。

二つ目:乾燥方式

二つ目は生ごみをそのまま乾燥させて容積を減らす「乾燥方式」です。

これは水分だけが無くなります。

三つ目:バクテリア方式

三つ目に生物(主に微生物)によって有機物を二酸化炭素と水まで生分解する「バクテリア方式」があります。

バクテリア方式は「堆肥型」「消滅型」に分けられます。

堆肥型は微生物によって有機物を熟成させてごみを堆肥にするものです。

実際は堆肥にするまでに二次処理が必要であり、その時に不純物(残渣)が出ます。

消滅型は堆肥にする段階を越して完全に水と二酸化炭素に生分解し、発酵臭が少ない方法です。

車 風化 昔

ゴミ分解の仕組み

生ゴミの分解を科学的に

生ゴミの分解を科学的に詳しく解説しようとすると専門用語だらけで難しいので、わかりやすく簡潔に紹介します。

原理は私たちがものを食べてそれをエネルギーに変えることと同じです。

私たちも食べ物を水と二酸化炭素に変えています。

・焼却方式の場合…生ゴミのエネルギーを熱エネルギーに変換して、有機物の大半は水と二酸化炭素に変わっていきます

・バクテリア方式の場合…微生物の腸の消化酵素などが、有機物を分子レベルで細かく分解して、それをエネルギーに変えたり、排泄物にします。(その過程で有機物の大半は水と二酸化炭素に変わっていく)

そのようにしてどんどんゴミを細かくしていき、最終的には無機物まで分解します。

※無機物…有機物以外のすべての物質のこと(水や二酸化炭素も無機物です。)

堆肥型の場合、微生物がゴミを細かくしていくことで、ごみの表面積が〇千、万、億倍になっていって植物がゴミの養分を吸収しやすい、良い土となります。

プラスチックはなぜ有機物なのに分解されにくいのか

プラスチックは革命的な材料です。

多機能性、軽量、耐久性、低コスト、科学的安定性、水を通さないなど、数多くの画期的な利点があります。

プラスチックは本当に便利ですが、プラスチックは自然界で分解されにくいという難点があります。

ではなぜ、プラスチックは分解されにくいのでしょうか?

それはプラスチックは人工物であり、本来地球にないものであるからです。

この地球は約46億年というプロセスを経て、この持続可能な生態系の仕組みを築いてきました。

しかし、ほんの200年前に誕生した科学的に超安定な化合物に対応する消化酵素が自然界にないのは普通なことと言えます。

よって通常プラスチックは、自然には分解(生分解)されないのです。

放射線崩壊という自然界の仕組みによって崩壊はしますが、完全な分解までは500年以上かかるといわれています。

よって人工的に作ったものはリサイクルや焼却など人工的に処理をしなくてはいけないのです!

Yum@
Yum@

プラスチックを分解する素晴らしい方法はないのかなぁ…

プラスチック問題を解決するかもしれないバイオ技術

プラスチックをどうにかして生分解したい!!

ここからはそんな研究についていくつか紹介します。

プラスチックを食べる生き物

プラスチックが誕生してから200年も経っていません。

そんな短期間で進化したのか、本来備わっているものなのか。

なんとプラスチックを食べて分解してくれる生き物がいることが、最近の研究で明らかになっています。

ミールワーム

まず紹介するのは、言わずと知れたペットのエサの代表ともいえるミールワームです。

発泡スチロール(ポリスチレン)をエサにして生分解できることが、スタンフォード大学北京大学の共同研究チームが明らかにしました。

また、スタンフォード大学は発泡スチロールをエサにしたミールワームは有害な物質を体内に蓄積することなく排泄するので、ほかの動物の安全なたんぱく源となることを示す同大学の研究がEnvironmental Science & Technologyに掲載されたと2019年12月19日に発表しています。

ポリスチレンにはヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)と呼ばれる難燃剤が添加されています。

これは生殖機能、神経系に影響を及ぼす毒です。

ミールワームは毒も処理できると考えると、見た目とは裏腹にすごいですね笑

ミールワームが発泡スチロールを分解する動画をこの記事の最後に貼るので、虫が嫌いな人は「グロ注意」を見たらスクロールしないでください!!

ワックスワーム

ワックスワームはハチの巣の中に住む生き物で、ポリエチレンを食べ、それを分解して生活できることがブランドン大学の研究で明らかとなりました。

Yum@
Yum@

ミールワームが発泡スチロールを分解している映像は衝撃だね笑

プラスチックを分解するスーパー酵素

次に紹介するのは、生物に頼らなくてもプラスチックを生分解できるかもしれない技術です。

アメリカとイギリスの研究チームは2016年に京都工芸繊維大学などが発見したPET(ポリエチレンテレフタラート)を数日で分解する酵素「イデオネラ・サカイエンシス」を応用してその6倍近くのスピードでPETを分解する酵素の作成に成功しました。

Yum@
Yum@

堺市のペットボトル処理場で見つかったからサカイエンシスなんだって!

サカイエンシスの二段階で分解する二つの酵素を人工的に結合しスーパー酵素を作成しました。

PETはペットボトル、衣服などに使われます。

この酵素の凄さがわかる動画がこちらです↓

CockrellSchoolより
キャサリン
キャサリン

48時間でトレイが無くなっちゃうの!!

すごい技術だね!!!

凄すぎる家庭用ゴミ処理機

最後に紹介するのは、一番皆さんの身近な家電についての内容です。

生ゴミを捨てに行くのって頻度も多いし朝起きないといけないし、かといって捨てないと臭くなるしで大変ですよね!

キャサリン
キャサリン

うんうん!!

でも、もうすぐ生ゴミを家で処理する時代が来るかもしれません。

それを可能にするのはナクスルを筆頭とする家庭用生ゴミ処理器です。

こちらの動画をご覧ください↓

NAXLU公式チャンネルより

このようなゴミ処理機を使うことで生ゴミのにおいの悩みとおさらばできます!

必要な行動は、ポイッとゴミを捨てるだけ。

※動物が消化できないもの(動物の骨やプラスチックなど)は分解できませんが、魚の骨や卵の殻などは分解できます。

驚くのは、1㎏のごみを24時間で分解するという技術です。

ごみの水分を飛ばしながら(乾燥式)微生物がごみを分解するという二段構造となっていて、微生物を活性化するために適切な温度と適切な攪拌(かくはん)を行っています。

しかし値段が127600円(税込)とかなり高かったり、少し大きいというデメリットがあります。

ですが、それをはねのけるほどのサステイナブルな商品なのです。

1日のゴミ分解量が多いことに加えて、60Wととても省エネであり、騒音も20dB程度と極めて静かです。

※60Wというと電球くらいの消費電力

※20dBというと木の葉が触れ合う音の大きさくらい(静かといわれる冷蔵庫よりも静かです!)

また動画の通り、年に数回内容物を取り出す必要がありますが、取り出した内容物は堆肥になるので、本当にごみが出ない環境にやさしい次世代の装置となっています!

この装置が普及すれば、CO2 の排出量が大幅に抑えられるようになります。

キャサリン
キャサリン

これは画期的だ!!

バクテリア方式ではないですが、乾燥方式だとNAGUALEPというごみ処理器もあります。

こちらは、動物の骨なども捨てられる反面、ごみの容積が2割くらいになるだけで、なくならないことに注意したいです。

一方で処理した後のごみはガーデニング使用できます。

また処理時間は2時間程度と短く、価格も8万円弱とナクスルに比べてかなり安いのは魅力です。

更に大きさもナクスルよりは小さく、見た目も近未来なスタイリッシュさがあります。

プラスチックゴミ問題の現状

最後にプラスチックゴミ問題の現状を共有して終わります。

OECDがまとめた報告書では2019年の世界のプラスチック消費量は3億5300万トンに達し、これは2000年の2倍以上となります。

世界では今、毎年800万トンのプラスチックが海洋に流れています。

プラスチックには、ポリ塩化ビニルをはじめとする有害物質を含むものが多くあります。

これが海の生態系に介入することで、生物濃縮が起こり、人間が海の幸を食べるころにはとてもじゃないけど食べられないことにつながってしまうのです。

大好きな食べ物、動物、自然を守るためにも、一人ひとりが環境について考えていくということが大切であると私は思います!

※海洋の環境問題については過去に地球温暖化:「海洋にもたらす影響」を科学的に分かりやすく解説!という記事でまとめています。

まとめ

※この下に先ほどお見せできなかったミールワームの動画を紹介しています。(グロ注意)

-生ゴミを分解する仕組み-
基本は生物が食べ物からエネルギーを得て、水と二酸化炭素にするというメカニズムと同じ

-ゴミを分解する最新技術-
・プラスチックを分解…ミールワーム、ワックスワーム、酵素
・全自動家庭用ゴミ処理機

プラスチックは負の遺産といわれることもありますが、現在では不可能と言われていたプラスチックを分解する技術が存在するため、科学の進歩を体感しました。

やはり、プラスチックは画期的なのでこれからもなくならないでほしいですね笑

今回はこのへんで!!

Yum@
Yum@

この下にミールワームの動画を張っておくね!

今日も最高の1日にしていこう!!

See you soon!!

ミールワームの動画はこちらです↓↓

スタンフォード大学より

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