こんにちは、Yum@です。
僕は現在、東京工業大学(東京科学大学)工学院機械系に所属する大学2年生です。
この記事では僕が大学1,2年で使った「機械工学の基礎となる参考書」を全て紹介していきます。
「機械工学を勉強したいけど、どんな参考書を買えばいいのかわからない人」「機械に関連することを学びたい人」や「機械工学ってなんぞや?って人」はぜひ見ていってください。
参考書内の類題の傾向が、東工大機械系の院試と似ている事があるので、院試を受けたい人はぜひ参考にしてください。
機械工学とは
機械工学は、機械を作るための学問です。
機械は身の回りに溢れています。
あなたが今眺めているデバイスも機械ですし、朝起きてから、目覚まし時計、照明、冷蔵庫、電子レンジ、水道、ドライヤーなどを使って、電車で通勤、通学します。
外を眺めてみれば、車や電柱、電線、などがあります。
これを作るために機械工学を学びます。
機械屋さんは機械の性能をより良くし、安全に設計するにはどんな設計をすればいいのか、どう加工すればいいのかを考えます。
それに必要な技術や知識を探求する学問が機械工学なのです。
大学1,2年生でやることはその基礎なので、主に様々な力学を学んでいきます。
機械科と物理科で学ぶ「物理」の違い
機械科では、主に四大力学と呼ばれる材料力学、熱力学、機械力学、流体力学をベースとした力学とエレクトロニクス(素子の特性)などを学びます。
うちの大学ではエレクトロニクスは必修ではないため、「力学」を主に学ぶと思っていただいて差し支えないです。
また、「実際の機械の性能を良くするためにはどうしたらいいのか」ということを念頭に置いて授業が進みます。
一方で、物理科はニュートン力学、量子力学、解析力学、電磁気学、統計力学など、物理全般を扱っていて、理論を中心に学びます。
方向性は違いますが、機械は物理や化学とかなり密接な関係があります。
※化学は材料工学などに関係します。
教養物理科目(大学1年生)
ではここから、東工大1、2年で使用した参考書についてザザっと紹介していきます。
力学基礎
「物理入門コース」の書です。
簡潔な説明で、ニュートン力学を解説しています。
コラムでは「なぜ猫は体を空中で引っくり返せるのか」や「月と地球は徐々に遠ざかっている話」などを力学を使って解説していて、とても面白かったです。
ニュートン力学をガチりたい人にはおすすめできませんが、初学者にとってはかなりとっつきやすい書だと思います。
電磁気学基礎
電磁気の先生は先生の資料を教材とする人だったので、指定の参考書はありませんでした。
機械工学の基礎科目(大学2年生)
東工大では、大学2年生で系所属をします。
詳しい概要はこちらの記事をどうぞ
また機械系の初学年(大学2年生)で学ぶ内容について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
四大力学
材料力学
安心のJSMEテキストシリーズです。
本書では、曲げ、ねじり、座屈、たわみなどの基礎的な分野はもちろんのこと、最後には有限要素法の紹介もあります。
なんでそうなるのかの証明が詳細に書かれています。
初学者にも、ちゃんと学びたい人にもおすすめです。
熱力学
こちらも、JSMEテキストシリーズです。
熱力学はエントロピーの箇所が一番つまずきやすいところであると思いますが、かなり分かりやすく書いてあり、良かったです。
熱の基本式は授業で扱いきれなかったので、本書はかなりボリューミーな内容を網羅していると言えるでしょう。
式変形が詳細に書いてあったので、つまずくことが少なく助かりました。
機械力学
機械力学の講義の先生がこの本の著者でした。
学生間では賛否両論ありましたが、僕的にはステップ・バイ・ステップで進んでいく方針であるため、かなりやりやすかったです。
1自由度振動系の強制振動や多自由度のモード解析までマスターできます。
また、解析力学で習う、ダランベールの原理やラグランジュの運動方程式などの説明もあり、(証明はない)それを使った例題もあります。
例題は豊富にあるため、手を動かしながら学べる書であり、学習効率が良かったです。
流体力学
本書は完全流体から実在流体までを扱っていて、流体力学についての網羅本と言える一冊です。
1から説明してくれるため、流体力学でありがちな「なんでその考え方をするんだ!?」ということが少なかったです。
さらっと簡単に学びたい初学者には不向きですが、ちゃんと流体力学の基礎を学びたい人にとっては良書になること間違いなしです。
値段は高いですが、それ以上の価値がある本であると思います。
なお、問題はかなり少ないです。(網羅している範囲に比べて)
その他の専門基礎科目
工業力学
本書も東工大の先生の本です。
じっくり読む時間のある人にとっては非常にわかりやすい本であると思いましたが、個人的にはもう少し簡潔な方がわかりやすいかなと思いました。
やはり、工業力学の山は相対運動の理解である思いますが、本書ではその部分をかなり詳しく丁寧にやっています。
内容とは関係ないですが、「理数工学社の参考書は文字が見やすい」ということを結構感じました。
エレクトロニクス
本書では、半導体の構造、トランジスタや増幅器の仕組み、回路方程式の解き方、スイッチの演算、コンピュータの仕組みなどエレクトロニクスの基礎が学べます。
僕は増幅器の仕組みでつまずきましたが、本書があったおかげで、かなり理解することができました。
こちらも理数工学社の書です。
機構学
こちらの書は、指定されていたので買いましたが、あまり使っていません。
時間があるときにじっくり読もうと思います!
上の商品画像がないですがこんな参考書です↓↓
材料工学
本書は機械材料の知識をつけるための本です。
本書を通して、機械は材料、もっというと化学と密接な関係にあることを知りました。
材料特性を知ることで、多くの事故を防ぐことができます。
どんな破壊があるのか、どんな特性の材料があってメリットとデメリットは何なのかということを網羅的に学べます。
中でも鋼の特性はとても奥が深いので、驚かされますよ~!
上の商品画像がおかしいですが、こんな参考書です↓↓
製図・設計
本書では製図の基本を学べる本です。
製図の実習のときに本書を頼りにしました。
寸法公差、幾何公差、断面図の書き方などの基本から、最後には演習問題がついており、製図の練習ができます。
こちらの本は機械要素(ネジやベアリング、軸など)の特性を学び、実際の設計に役立てていこうという本です。
繰り返し応力があるときの材料の強度を考えることを学んだことが印象に残っています。
四大力学が実際に役に立つということが体感できます。
また、「なんであの機械はあんな仕組みなのだろう」ということが考えられるようになってきます。
上の商品画像がないですが、こんな参考書です↓↓
宇宙工学
こちらは宇宙工学基礎で教科書として指定されていた書です。
内容は東工大機械系の初学年で学ぶ事:詳しく解説の記事をご覧ください。
解析力学
指定された教科書はなく、先生の資料で授業が進みました。
弾塑性力学
こちらは弾塑性力学で教科書として指定されていた書です。
授業は取っていないですが、時間があるときにやろうと思っています。
最後に
今回は大学2年生で使った機械工学の参考書を紹介しましたが、今後も機械を学んでいく中で、使った参考書などを紹介しようと思っています。
科目についての説明はこちらの記事を参照ください。
今日も最高の1日にしていこう!!
See you soon!!
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